6月13日(火)①ローマの修道院
午前11時、AくんとAvezzanoのお別れ。
Aくんファミリーとそれぞれハグを交わし、切なくなりつつ電車に乗る。
3日間、無償でご馳走してくれたり一緒に出かけてくれたりと歓待してくれた。Aくんとそのファミリーには感謝してもしきれない。
美しい車窓の景色を眺めながら、そんなことをずっと考えていた。
気をとりなおしてテルミニ駅到着。
今日は夜にクリスティーナと再会するまでまた1人なので、財布を盗まれないように気を引き締める。
まず駅構内の旅行者用の荷物預かり所へ、人に聞きつつ向かう。
今日チェックイン予定の修道院は13時から16時までお休みということなので、先に1人で観光しようと思って、重いバックパックを預けたかったのだ。
荷物預かり所にたどり着くも、そこは長蛇の列。
そして、一人のスタッフの男性が何だかイライラしている様子。
あの人に当たらなければいいなぁ…と思いながら、順番待ちの番号発券機から番号の紙を受け取る。機械の操作も相当迷った。荷物のデポジットがAの列なのかBなのかCなのか…英語の説明を読んでよく考えてBを選択した。
この選択は正しかったのだが、間違えて違う番号を取得して並んでしまったアジア系女子2人などは、いつまで経っても自分たちの番号にならないので途中で気づいて例のイライラスタッフに尋ねたら、案の定「君達は番号を間違えたんだよ」と英語でぞんざいに言われ、彼はなんのフォローもせずプイッと行ってしまい彼女たちはポカーンとするのみで気の毒だった。
私も、番号は間違えなかったがモニターで点滅していた自分の番号を見逃してしまい、後から「すでに呼ばれてたみたいなんですが」と言いに行ったところ、「OK、待っていて」と言われたままずいぶん待たされ、他の旅行者の外国の方に「スタッフに尋ねた方がいいわよ」と英語で助言をもらう始末。
さらにやっと預かってもらえたと思ったらイライラスタッフにバックパックを乱暴に投げられたという…とほほ。
とにかく荷物のデポジットだけで小一時間を使って大変疲労困憊した。
しかし、この労力が全く報われなかったことを後で知ることになる。
ローマ観光をと言いつつも、今日の宿泊先である、サン・グレゴリオ・マーニョという修道院ホステルのことが気になってしまうので、コロッセオ近くの中心地ですぐに足を伸ばせるからと思って様子を見に行こうと思って向かったら…。
いやね、ほんとに素晴らしい教会ではあったのだけど…。
予想に反して13時台に受付係の人がいたので、チェックインできてしまったのだ。
とりあえずバックパックなしで中に入るけどね。。
テルミニから地下鉄チルコマッシモ駅(コロッセオ駅の隣駅)から徒歩5分、
修道院ホステルのある、サン・グレゴリオ・マーニョ教会の中の一部。
教会の入り口階段を登ってゲートをくぐるとこうなっている。ここからさらに中に入ると教会。
修道院ホステルと教会をつなぐ通路内。
教会内はあまりに神聖な空気を感じて、私にとって何故かとてもしっくりくる場所だったので、しばらく放心して椅子に座り込んだ。
だから中央の礼拝堂の写真が撮れなかった。
というか撮らなかった。
その時の感覚に集中したくて。
天井から差し込む太陽の光と、荘厳な教会内の空気が、私の疲労を回復させてくれた。
ああ…。至福。
20分くらいずっとその場にいた。
満足して、その後教会からつながっているホステルに移動した。
無料Wi-Fi環境が整備されており、農園B&Bではずっと使えず不便だったので狂喜する。
それで調子に乗ってベッドに倒れ込んだら壁に後頭部を打って星が飛んだ。
「イテテ…気を引き締めよう」
ということで、しばしホステルで休憩してからバックパックを取りにテルミニに戻ることにした。
ローマ観光はいつになったらできるのやら。
長くなったので②に続く。
6月12日(月)村の古城、地下室でお肉祭り
この日はAくんの友達が住む村に案内してくれるということになった。
AvezzanoからTrasaccoという村まで車で20分くらい。
アンドレアの男友達の家へ。
背が高くてものすごく優しそうな青年だ。ピザ職人をしているらしい。
さらに、近くのOrtucchioという村の古城を、この村に住む城の管理人の弟さんが鍵を開けて案内してくれた。(お兄さんは現在ミラノにいるそう)
屈強な男たち3人と私で普段一般人は入れない古城へ。
どうでもいいけどイタリアの男性はほぼハト胸でAカップはあるんじゃないかと思うほど筋肉の上にプルプルと胸が揺れており、胸板たくましい。
なんてことを内心思いながら古城へ…。私は変態か。
カフェで城管理人の弟さんがさりげなくご馳走してくれた。やさしー!
私はカフェインが弱いと言ったら、オーツのコーヒー(濃い麦茶)がエスプレッソ仕様で出てきた。
カフェの入り口に、黒髪おかっぱでサングラス、そして色白だからものすごく目立つ女性が座ってたのが印象的だった。
午後はママの作ったパスタカルボナーラを食し、幸せな気持ちでお昼寝。
その後Aくんが70キロ離れたラクイラの町へ連れて行ってくれることになった。
そこで一転、私は暗い気持ちになってしまった。
ラクイラは2009年に大地震があり、300名以上が亡くなった場所。
今も人はたくさんいるのに、何だかとても寂しいと感じる場所だった。
無人の地下道があって動く歩道が機能してたりしてなかったり…。
あまり居心地が良くなかった。
そんな表情をしていたら、「なんか顔が痛いみたいに見える」とAくんに言われ、この場所にいることが嫌だと思っている私の気持ちがバレた。
連れてきてくれたAくんのせいじゃないのにごめん…と思いながらも、なかなか気分を元に戻せず。
さらに日本語が流暢でないAくんにイライラして八つ当たりみたいな態度を取ってしまった。
今から思うと本当に申し訳なかったな…。
帰りの車の中でAくんと色んな話が出来たので、かなり気持ちは元に戻れた。
21時頃に帰宅したらパパとママが地下室でBBQの準備をしてくれていた。
ふーこの日も色んなことがあって色んなことを感じた。
明日はAvezzanoとサヨナラの日だ。
切ないな。
6月11日(日)Tivoliへ遠足
Aくんのファミリーと一緒に車で約1時間でTivoliへ。ローマからは北東に30キロほどの場所。
ママがパニーノを作ってくれて、アプリコットも持って、途中下車して適当な場所で皆とランチをとった。この気軽なピクニック感が、ヨーロッパ人の上手な余暇の過ごし方を感じた。
目的地に到着。
すでに暑い。。
これから見る3つの場所はそんなに離れてないけれど、それぞれ広大な敷地なので気合と根性がいった。
ヴィラ(別荘)・グレゴリアーナ
1826年にグレゴリウス16世によって整備された広大な庭園。
ヴィラ・グレゴリアーナ内にある、紀元前1世紀の、女神ヴェスタの神殿
ヴィラ・デステ
元々はベネディクト会の修道院だったが、エステ家出身の枢機卿イッポリート・デステが1550年に隠遁した際、別荘として改装することになったそう。
ピアニストのリストが住んでたこともあるっぽい。
ヴィラ・アドリアーナ
ハドリアヌス帝が118年から130年にかけて建設した別荘。
どの景色も素晴らしすぎて息を呑んだ。
そして4人全員がクッタクタになって帰宅した。
それなのに、マザーが夜ご飯を準備してくれた…(>_<)申し訳ない、でも本当にありがとう…!!!
イタリア人の食習慣は、パスタ(炭水化物)→お肉料理の順番。
そして家は全て間接照明。
テレビを見ながらはせず、家族とおしゃべりしながら食事をする。
この家族も、最初に泊まったローマ近郊Apriliaの宿の家族もそうだった。
宿のGくんが「イタリア人は他人より家族をリスペクトする風潮がある」と言っていた。なるほどなと思う。
Aくんは30歳くらいの青年。
ある時なんか父とずーっと政治論議してて、話が止まらない様子だった。
イタリア人は食事の時もそうでない時も、男の人も女の人もよくしゃべっていた。
6月10日(土)ローマからAvezzanoに移動
午後から別の友人Aくんが住むAvezzanoに移動。3泊お邪魔する。
Avezzano(アヴェッツァーノ)は、ローマから電車で東に2時間、100キロ離れた山の町で、人口4万人くらいの小さな町。
Aくんが車で見どころスポットに連れて行ってくれた。
コロッセオの小さい版。
ここにはローマ級の遺跡が無料で見放題なのだが、A曰く、交通の便は悪いし、地域にお金がないしで観光地として成立できないらしいです。残念だ…!
ズッキーニのお花の入った唐揚げ。
サックサク。
(イタリアのレストランの前菜としてよく見かける)
メインがタルトゥーフォとポルチーニというキノコのピザ。濃厚!
デザートにパンナコッタのブルーベリーソース。ホイップがたっぷり〜。
いずれも絶品すぎて気を失いそうになったよ。
料理に舌鼓したらお外は真っ暗。
人が少ない町なので、外を歩けばすぐAくんの友人に出会うし、声は響くし。
6月9日(金)1人でローマうろうろ
この日は午後から1人行動。
テルミニから数時間歩く。
迷いながらもてくてくてく。
クィリナーレの丘あたりで、兵隊さんにに英語で道を聞きながら…。
(英語もなかなか不便な国です)
(アッチって指差して答えてくれました)
ベタだけどトレヴィの泉になんとかたどり着いたけど、観光客だらけで苦しくなり、滞在時間は3分笑。
バルベリーニ広場近くのクリスティーナのオフィスに寄って、しばし休憩させてもらう。そして旅行業の彼女からこれからの歩き方をアドバイスしてもらう。
そのアドバイスに従い、地下鉄でサン・ピエトロ寺院まで行ってみる。
この混み具合。もちろんながーい列には並ばずに、立派な建物をじっくり眺めてきた。
あっつくて、汗がべっちょべちょ。
地下鉄にようやく慣れてきたところで、夕方過ぎにはサクッと帰宅に向かった。
えっ!?観光これだけ??って感じだね…笑。
でもね無理しないことにしてます。
私、過緊張の体質で一日中トイレの少ないローマに1人でいるってことができないから、いつも午後お昼の自炊を食べてから出掛けてる。だから、あんまり分量まわれない。でも、それが私だからそれでもいいかなって思ってます。
夜8時近くだけどまだ明るいし暑い。
宿に着いたら心ゆくまでのんびり犬とまったりしよう〜と思ったら、犬たちがへばってた。へばってる姿がもう可愛くて可愛くて…。
6月8日(木)ゆったりフリーデイ
この日は一日、宿付近でノンビリした。
イタリアのこのシーズンは夜9時近くまで明るい。陽がながーい!!!
さてと。
見た目はフツウでも、素材が素晴らしいので味が天国のようだった、これまでの自炊料理を紹介。
朝食。
スーパーで買ったナスを炒めている。
ナスってこんなにこんなにコクがあったっけ!?という美味しさ。
ハムはスーパーでその場で薄くスライスしてくれた。しょっぱすぎず美味しい。
トマトは言わずもがな美味しい。
スーパーには様々な種類のトマトが並んでいてどれを買うかとても迷った。
すごく美味しかった、Gくんも絶讃オススメしていたくるみのペースト
(日本で見たことないけど売ってないかなぁ!!)
朝食。自家製卵とモッツァレラチーズをスクランブルしてみたら絶品だった。
有精卵だからものすごく身体によさそう。
あとはパンとくるみのペースト
これも自家製オリーブオイル。
塩はさすがに自家製じゃないよね…?
朝食。節約自炊の為、日々メニューがかわりばえしないけど、ほんとに美味しい。。
朝食。自家製卵とモッツァレラのスクランブルが気に入ったので、そこにニョッキを投入してみたら、ヤバかった。
味付けはオリーブオイルと岩塩だけなのに、なにこの味の深みは…。
朝食。
緑だらけのメニューとなった。
ニョッキと市販のバジルペースト。
昼食。冷蔵庫のものを全て整理するつもりで色々とぶち込んで、具沢山スープ風になった。スーパーのニンニクがこれまたいい味を出していた。
次の日につづく。
6月7日(水)フィレンツェ遠足
この日は朝早く起きて、フィレンツェへ遠足。
1年ぶりにクリスティーナと会って、一緒に。
イタロに乗って、ローマから1時間半。250キロくらい離れてる?
車窓から、トスカーナの田園に2人で興奮(彼女は別の田舎町出身で、現在ローマ在住)
再会したよろこびで胸熱くなり、おしゃべりに花を咲かせてたらすぐ着いた感じ。(日本語でキャッキャしてたので近くの席の人がちょい見してたかも)
サンタマリアノッヴェラの駅に着いて、近くの観光案内所に寄り、私の希望である「よい景色を見たい」という願いを叶えてくれるべく係のマダム達が丁寧に詳しく情報を教えてくれた。
聞いてくれたクリスティーナも日本人観光客に対する案内デスクを仕事にしているが、ここでの係の方達のことを「情報量がすごい」と褒めていたほど。
イタリア語のわからない私でもその詳しさだけはわかったかも。
そのアドバイスに従って、フィエーゾレというフィレンツェからバスで行く丘へと向かうことにした我々。
バスに20分くらい揺られて…。
あぁ…。この景色でもう十分だ。という満足感。
ごはんも超絶美味で2人で一口食べるたびに吠えた…。
1000年以上前からやっていることがわかったレストラン(名前隠れちゃってるがな)
わりとリーズナブルなのに美味、
これはバジルとミントのパスタ
(イタリア人の食べる順番はパスタ→お肉)
これで1人17ユーロ。高すぎず!!!
フィエーゾレの丘のバス停近くのレストランでした。
時間の関係でフィレンツェの街はさくさく歩くだけになっちゃったけど、ドゥオーモも16時をすぎて閉まっちゃってたけど、また絶対来るよって思ってこの地を後にした。
思いがけずクリスティーナが予約してくれた帰りのイタロが割引かつ一等車になってて興奮した。
黒い重厚なシート、おやつとドリンクサービス!!(興奮して味わいすぎて写真撮るの忘れた)
すごーく楽しい遠足となった。