迷惑をかけて下さい


「もっと人に迷惑をかけて下さい」

と言って若者を支援することがある。


周りに迷惑をかけたくないから、

問題を自分だけで処理しようとし、

自分を閉ざすけれど、

結局処理しきれなくて

心身にダメージを負い潰れてしまう。


本人だけじゃなくて、

親も同じ様に思っているから

ただでさえ核家族なのに、

家族がさらに閉じていき、

その問題が家族以外見えなくなる。


人に迷惑をかけてはならないというのは、

かつての日本の美徳かもしれないけど、

今は悪しき固定観念の一つになることもあると思う。


収入がそれなりにあるなら、

人に頼らずお金で生活が成り立つけれど、

収入がそれほどない若者がたくさんいる今は、

人に頼ってこそ生活が潤うことになる。


どんな考え方であれ、豊かな気持ちで生活できるならそれでいいのではないかなと思う。


一応断っておくけれど、それは「お金を貸して下さい」という種の迷惑ではない。


以前ならお金で得ていた豊かさを、お金の代わりに人に迷惑をかけることで精神的に生活を豊かにするというイメージだ。


容易に想像できるかもしれないが、

具体的には、

一緒に持ち寄りでご飯を食べたり、

一緒に物品をシェアしたり。

他にも色々あるのではないかな。


そしてその土台にある、日常の考え方では、

人に何かを頼んでいいんだ、

人の言うことを拒否してもいいんだ、

人に自分のヘルプを訴えていいんだ

というようなこと。


結局は、幸せであれば人に迷惑をかけない生き方を選択するのもアリ、

その一方で、人に迷惑をかける生き方もアリだろうと思う。


自分が人に迷惑をかけるなら、人の迷惑を受け止める心のゆとりも育まれ、器が大きくなっていき、人としても豊かになれると想像する。


少なくとも私は人に迷惑をかけながら生きてゆくのでしょう。